想い

六千年とも言われている人と馬の共生、人類は「馬」なしでは現在の文明を築きあげることは不可能であり、また、それぞれの人々の存在に何らかの「馬」の関与があったはずです。

歴史をさかのぼる気はありませんが、かつて「馬」は私たちの視界に常にいたのでしょう。

出会った「馬」を写真とは違った角度から後世へ描き残していくという使命感と、現在私たちの生活から遠ざかってしまった「馬」の存在を作品を通じて多くの人々に知っていただきたいという気持ちが、私に描く力を与えてくれます。

彼らの優しいまなざし、肌の温もりは、遠い昔から何一つ変わることなく、私たちを包み込んでくれる。そんな彼らを描くことは、何にも変えがたい幸福感と感謝の気持ちに浸りながら、私をキャンパスに向わせ、筆を走らせてくれるのです。

長瀬 智之